導入事例
マルチクラウド・ハイブリッドクラウドのネットワーク基盤を「Megaport」で実現しサービスの早期実装に貢献
概要
マンション・ビル管理を中心に、法人・個人向けの住生活・不動産関連事業を幅広く展開する大和ライフネクスト株式会社では、現在進めている「システムのクラウド化施策」の一環としてNaaS(Network as a Service)の「Megaport」を使った仮想ネットワーク基盤を導入しました。その目的や経緯、効果などについて、同社 デジタル統括本部 デジタル推進部長 兼 デジタル統括本部 デジタル開発部長 兼 コーポレート本部 人事部 ゼネラルマネジャー 前田浩二様と、デジタル統括本部 デジタル開発部 システム基盤担当 坂齊大輔様にお話しいただきました。
課題
- ハイブリッド/マルチクラウドに適した柔軟性・運用性に優れたネットワーク基盤を求めていた
- 時間や手間、コストを抑えながらネットワークを設計・構築する必要があった。
- AWS依存によるクラウド利用料のコスト増
- BCP対策やコスト最適化の観点からマルチクラウド環境を模索
- クラウド間連携や回線調達・設計見直しに多くの時間と労力を要していた
- クラウド間のネットワーク遅延によってパフォーマンスが劣化するリスクを抱えていた
解決策
- NaaS(Network as a Service)の代表的な製品である「Megaport」を導入
- Megaportの導入実績があり、インフラ/データベースの専門性が高いスマートスタイルを導入パートナーに選定
- Megaportを活用したマルチクラウド環境への移行
結果
- 発注から2か月でハイブリッド/マルチクラウドをカバーする仮想ネットワーク基盤を構築
- 十分な品質と性能を持ち、冗長性にも優れるネットワーク基盤を実現
導入事例インタビュー
左から
デジタル統括本部 デジタル開発部長 前田 浩二 様
デジタル統括本部 デジタル開発部 坂齊 大輔 様
デジタル統括本部 デジタル開発部 崎山 大介 様
※部署名や肩書は取材時のもの
攻めのデジタル活用とガバナンスを両立させるマルチクラウド体制を実現
大和ライフネクストは2023年3月現在で約8000人の従業員が働いており、多様な働き方を支援しながら業務生産性を高めていくために業務システムのクラウド化を進めています。これまでオンプレミス環境で運用してきた社内向けシステムのサーバ計72台を順次 OCI のIaaS環境へ移行する一方で、社外向けのシステムは Amazon Web Services(AWS)上でクラウドネイティブなアーキテクチャに基づいて新たに開発を進めています。また社内の認証はオンプレミスADとAzureADのハイブリッド認証を行っており、SSOによるセキュアな環境を構築しており、Microsoft 365サービスも全社で活用しオンプレミスおよび各パブリッククラウド間はNaaSで接続する「マルチクラウド戦略」をとっています。
このようにAWS、OCI、Azureを使い分けるのと同時に、技術や予算の制約上すぐにはクラウドに移行できないシステムも一定数存在します。そうしたシステムは当面の間オンプレミス環境で運用し続けるため、クラウドとオンプレミスが混在する「ハイブリッドクラウド」の構成となります。
OCI 構成図( MDM 本番システム)
OCI のクラウド環境上でMDMシステムを新たに構築
効率的なネットワーク運用を実現するNaaSの「Megaport」を選定
こうしたマルチクラウド・ハイブリッドクラウド環境を効率的に運用するには、各クラウド間およびクラウド-オンプレミス間のネットワーク設計が重要となります。一般的にハイブリッドクラウド環境では、クラウドとオンプレミスの間を専用線で結ぶ方法がとられますが、弊社のようなマルチクラウド環境で同じ方法をとると、各クラウドサービスと個別に専用線を接続する必要があり、運用が煩雑になってしまいます。
またOCI上に構築した基幹システムやデータ基盤と、AWSやAzure上に構築したアプリケーションとの間では頻繁にデータがやりとりされます。これを各クラウドサービスの専用線サービスだけでカバーすると、専用線を経由して一度データをオンプレミスに転送し、それを別のクラウドサービスに専用線経由で送ることになり、データ伝送の効率が落ちるだけでなく、クラウドサービスや回線の利用コストもかさんでしまいます。
そこで着目したのが、主要なクラウドサービスやデータセンター間を仮想ネットワークで結び、これをクラウドサービスとして提供する「NaaS(Network as a Service)」でした。一般的なネットワーク設計・構築の手法とは異なり、自社でネットワーク機器を導入する必要は一切なく、ソフトウェアベースで迅速かつ柔軟にネットワークを構築できるため、今後ハイブリッドクラウド・マルチクラウドの規模を拡大していく上で極めて有効だと考えました。
大和ライフネクスト 坂齋様
スマートスタイル支援のもと「Megaport」を導入
OCIの導入パートナーとしてお世話になっていたスマートスタイルに相談したところ、OCI環境の構築とあわせてMegaportの導入も対応いただけるとの提案を受けました。
そこで早速、オンプレミスとOCIとの間をMegaportで接続するネットワークの設計・構築をスマートスタイルにお願いすることにしました。オンプレミス環境のネットワーク設計・運用をお願いしているベンダーの協力も得ながら設計・導入作業を進めていきましたが、ルーティングの設定などはすべてソフトウェアベースで簡単に行えるため、極めて短期間のうちに作業を終えることができました。
実際に本番運用を開始した後も特に大きなトラブルが発生することもなく、極めて安定してネットワークを運用できています。性能面も何ら不満はありませんし、万が一何か障害が発生したとしてもMegaportの機能を使って冗長化構成を組んでいるため、とても安心感が高いですね。
大和ライフネクスト (左)坂齋様 (右)崎山様
Megaportのスピーディな導入でサービス実装の早期化に貢献
その後OCIだけでなく、AWSの接続もMegaportを介して行うようネットワーク構成を変更しましたが、OCIとAWS間の通信も極めて安定しています。将来的には、これにAzureも加えたマルチクラウド間通信をMegaportを介して柔軟に構成していく予定です。
Megaportによるネットワーク接続は発注から2か月で完了しました。非常に短期間で実装することができ、クラウドネイティブな環境を目指すなかで、ビジネス環境の変化に迅速に対応できる手ごたえを感じています。
こうした将来構想を実現する上でも、スマートスタイルには引き続き小回りの効く柔軟な支援・サポートをお願いできればと思います。単なるベンダーとしてではなく、ともにビジネスを創り上げていくパートナーとして今後も末永くお付き合いさせていただきたいですね
スマートスタイルの対応範囲
- OCI リセールサービス(クラウド再販契約)
- OCI 設計・構築サービス
- Oracle Autonomous Database 移行支援サービス
- OCI-AWS マルチクラウド 環境構築(Megaportでの専用線接続)
- Oracle Cloud 運用代行/フルマネージドサービス Reagle